
評価 A ※エロゲランキング53位(2020年1月現在)
【シナリオA 面白度A 演出B 絵A キャラB システムC 音楽A H度C プレー時間 47時間(長い)】
作品名 / メーカー名 空に刻んだパラレログラム / ウグイスカグラ
ジャンル 妹
ゲームディスク容量 3.09GB (ディスクレス可)
その他 修正パッチあり
推奨攻略順 (里亜→玻璃→ほたる→柚)→True
※攻略難易度は簡単です。
※カッコ内は好きな順番でOKです。
あらすじ
身体の中の見えない臓器「オラクル器官」から生み出されるオラクルが、タリスマンという装置で実在化されて人間は空を飛ぶことができるようになりました。
煌めきのスカイスポーツ「テレプシコーラ」は、空を飛ぶバスケットボールと表現するのが分かりやすいのかもしれません。
3対3で一つのヘイロー(球)を巡って争います。ヘイローを捕まえたチームはパスかドリブルで相手を交わし、敵のゴールにヘイローを叩きつければ1点です。
主人公「宝生 歩」は2年間の放浪生活を終えて、テレプシコーラの名門「葛切学園」へ戻ってきました。
「(俺は成し得たいことがあったから、再びここへ戻ってきたんだ)」
しかし歩はもう、空を飛ぶことはできません。
感想・レビュー
まず『空に刻んだパラレログラム』の感想を一言で表現すると「共通ルートは傑作」です。
寝る間を惜しんで攻略した作品は稀にありますが、食事時間さえ億劫に感じるほど熱中した傑作は「忠臣蔵46+1」以来かもしれません。
それだけ空を目指すヒロイン達の情熱は魅力的で、素人同然のチームが努力を重ね、同胞たちをなぎ倒しのし上がっていく様子は、まさに目を見張るものがありました。
また登場人物の多さも「空に刻んだパラレログラム」の魅力の一つで、彼らが繰り広げる青春ドラマもヒロインさながらに魅了されました。
攻略に30時間を要する長くて面白い共通ルートが終ると、各話2時間弱程度の個別√に入ります。このヒロインルートは本編の箸休めだと思って期待しない方が良いでしょう。。Hシーンも各ヒロイン3回で尺も短いです。
全てのヒロインの攻略を終えるといよいよTrueルートです。彼女たちはどこまでのし上がっていくのか? 期待に胸を膨らませてマウスを再び押し続けました。
そして一番楽しみにしていたエアロパーツとの準決勝戦。しかし気が付くと共通ルートで育ててきた世界観や大切な何かは無くなっていました。そこにはただ伏線を回収する為の理屈と、根性論だけでいつの間にか強くなったヒロインたちの姿があるだけでした。
ラスボスであるはずの世代最強ってこんなに弱かったっけ? まさしくパンドラの箱を開けてしまった気分です。
シナリオの感想の続きは最後の総合評価覧に記します。
その他の感想です。
システムは最悪です。オートモードを継続しながらクリックで進行できません。前後へのジャンプも出来ません。
BGMはGoodです。よくある当たり障りのないBGMではなく、個を主張してきます。それでいて騒がしくなく物語を盛り上げています。
演出ですが、同じスカイスポーツを描いた「あおかな」には到底、及びません。しかし演出の控え目なウグイスカグラならではの方法で頑張っていたと思います。ウグイス3作では一番、演出は良かったと思います。
ヒロインの紹介及び感想です。
「有佐里亜」 二年クラスメイト 幼馴染 ツンデレ
運動神経は良いのですががオラクルの量が極端に少ない里亜です。テレプシコーラにおいては、オラクル量の少なさ=才能の無さの図式が成立します。
なのに何故、里亜はテレプシコーラを続けているのでしょうか? 努力の限界を超えるとはどうゆう事なのでしょうか?
「宝生 玻璃」 1年 妹
引っ込み思案で人見知りの為、兄の歩ばかりに甘えているブラコン妹です。しかしテレプシコーラにおいては中学時代、世代最強の称号を手にする程にずば抜けてた才能を持っています。
しかし玻璃は昔から強かった訳ではありません。何が彼女を強くしたのでしょう。
「藍住ほたる」 3年
幼少期を施設で過ごしたほたるです。彼女は少し器用なだけに何事も卒なくこなしてしまいます。しかしいつからか上を目指すことを諦めて、現状に甘えるようになっていました。
私も器用貧乏と良く言われるので、彼女の「期待に応えられない苦しみ」というのが手に取るようにわかりました。
「彼杵柚」 2年クラスメイト 編入生
テレプシコーラ名門「小此木学園」からの転入生です。なので上手なのかと思いきや、超下手くそです。 しかし彼女はどんなに貶されようが、毎晩公園で練習し続けます。
素人同然だった彼女の成長過程も「空に刻んだパラレログラム」の大きな魅力の一つです。
総合評価
前述の感想覧で述べた通り「空に刻んだパラレログラム」の共通ルートは良く出来ています。評価は傑作に値するA+です。しかしながらTrueにて1ランクダウンのA(傑作の一歩手前)まで下げさせて頂きました。
更にその理由を追加するなら、共通ルートでは稀にあった驚愕の展開がTrueでは残念ながら見られませんでした。
Trueでの期待値が大きかった為、批判意見が多くなってしまいましたが最終評価はAです。悪くありません。上述した感想はあくまでも私の個人的見解です。
是非「空に刻んだパラレログラム」を攻略して各々でこの作品を感じとって見てください。
最後まで「『空に刻んだパラレログラム』感想・批評・攻略順」を読んで頂きましてありがとうございました。
